本来流れるべきところ以外に電気が流れてしまう漏電は、修理をおろそかにして放置すると感電や火災の原因となりとても危険です。すぐに原因を探し出して修理をおこないましょう。
しかし、漏電の仕組みや何が原因になるのかということがわからなければ、原因の発見は難しいものです。本記事でご紹介する漏電の仕組みと原因、放置した場合の危険性などを参考に、漏電についての理解を深めましょう。
また、漏電の症状があらわれた際の確認方法やすぐに実践できる予防法についても解説します。できる対策はしっかりとおこない、状況に応じて業者への相談を忘れずにおこないましょう。
漏電の仕組み
電気は本来、必要な場所に引かれたケーブルを通って、照明や電化製品などに流れます。そして、ケーブルは内部の電線から外に電気が漏れ出さないように、電気を通しにくい絶縁素材でおおわれているのです。絶縁素材としては、おもに塩化ビニールやゴムといったものが使われています。
しかし、何かにぶつかった衝撃や経年劣化などにより、絶縁素材に傷ができて電線が露出したり、ケーブルが切れかけたりしていると、ケーブルの外に電気が流れてしまいます。これを漏電といいます。
漏電することで、後述の感電事故や火災事故などにつながる危険性があるのです。
漏電したときに考えられる原因
漏電したときに考えられる原因はひとつではありません。家で起こりやすい漏電の原因はおもに4つです。それぞれ、なぜ漏電が発生するのかを覚えておきましょう。
原因1.家電の劣化・故障
前述の通り、ケーブルは雑に扱ったり長年使用したりすると、劣化や故障によって傷などができたり破損したりするおそれがあります。
また、ネズミなどの小動物が潜んでいて、ケーブルをかじってしまうというトラブルもあるのです。電気機器を使用の際にケーブルが破損していたら、早めに修理したほうがよいでしょう。
原因2.漏電プレーカーの故障
家の中の配線は分電盤に集約されていて、なかにあるブレーカーのスイッチを入れることによって各エリアに電力が送られているのです。漏電ブレーカーが正常に作動していれば、家のどのエリアで漏電が発生しても早急に電気を遮断し漏電による災害を防ぎます。
しかし、漏電ブレーカーが故障していると、一部の配線や電気機器のトラブルで漏電が発生しても電気が遮断されず、大きな災害につながるおそれがあるのです。
また、漏電ブレーカーの故障によって、漏電が発生していないにもかかわらずブレーカーが落ちてしまうという事例もあります。その際はすぐに業者に相談して、ブレーカーの修理か交換をおこないましょう。
漏電が起こった場合のブレーカーの確認方法については後述しますので、漏電ブレーカーが落ちた場合は、そちらを参考に適切な対処をしてください。
原因3.タコ足配線
ひとつの場所で複数の電気機器を使用することがある場合は、タコ足配線を利用することがあるでしょう。一度にさまざまな作業ができて便利ですが、タコ足配線も注意して使用していないと漏電の原因になるのです。
ひとつのコンセントに流せる電流の上限は15Aとされています。しかし、タコ足配線を使用することによって、複数の電気機器が同時に使えるようになり、15Aを超える電流が流れることがあるのです。
上限を超える電気の使用は漏電の原因になります。タコ足配線を使用する場合は、時間差で使う機器を変えるなどして電気使用量を調整して活用しましょう。
原因4.雨漏り
本来電気が流れている場所には、水が触れないようなつくりになっていることがほとんどです。しかし、古い建物や建物に傷みが生じていると、雨漏りによって分電盤や配線に水が触れてしまうことがあります。
そして、その水がケーブルの内部に入り込んでしまうと、水を通してケーブルの外に電気が流れてしまう危険性があるのです。早めに雨漏りを修理して漏電被害を防ぎましょう。
原因5.掃除不足
プラグを差しっぱなしにしているコンセントは、接続部分を確認することがほとんどないでしょう。しかし、少しプラグが抜けたりゆるんでいたりすると、隙間ができてホコリが溜まります。
そして、接続部分を確認しないということは、ホコリが溜まったままになっていると考えられます。溜まったホコリは、空気中の湿気を吸収し電気を通しやすい状態になるため、通電にともなって漏電を起こすおそれがあるのです。
さらに、漏電時に火花が散るなどの現象が起こると、ホコリに引火して火災につながる危険性もあります。こまめな掃除とコンセントの接続確認をおこないましょう。
漏電による「感電・火災」の危険性
漏電によって発生する事故は、大きくわけて感電と火災のふたつです。状況によって被害の大きさは異なりますが、どちらも危険な事故であることは変わりません。漏電による感電と火災の危険性について確認してみましょう。
感電の危険性
漏電した配線や電気機器に誤って触れてしまうと、感電して体に痛みやしびれが起こります。電流の大きさやどのくらいの時間電気が流れていたかなどで症状に違いはありますが、最悪命を落とす危険性もあるので、漏電が起こった場所には触れないようにしましょう。
漏電ブレーカーが落ちた場合は、とくに注意が必要です。漏電ブレーカーは、人体に影響がある大きさの漏電を感知した場合に落ちます。すぐに業者に連絡して、漏電修理をおこないましょう。
火災の危険性
漏電規模が大きくなると、周辺のものが燃えて火災が発生するおそれがあります。キッチンやお風呂などはガス管に引火する危険性もあるので、とくに注意が必要です。
また、漏電したことによって配線などから火花が散り、その火花がホコリなどに燃え移り、火災が発生するケースも考えられます。そういった事故が起こらないよう、すぐに業者に連絡して適切な対処をしてもらいましょう。
漏電していないか自分で確認する方法
家のどこかで漏電が起こっていると、漏電ブレーカーが落ちます。分電盤を確認して、どこで漏電が起こったのかを確認してみましょう。
まずは、分電盤内のすべてのブレーカーを落とします。そして、アンペアブレーカーと漏電ブレーカーのみスイッチを入れてから、ほかのブレーカーのスイッチをひとつずつ入れていきましょう。
順番にスイッチを入れていくと、漏電が起こっているエリアのブレーカーを入れたときに漏電ブレーカーが落ちるので、どこで漏電しているかを特定することができるのです。
また、月々の電気代で漏電の確認をすることもできます。前年と比べて電気機器の使用状況が変わっていないのに電気代が高くなっているという場合は、漏電が起こっているかもしれません。すぐに業者に相談して、点検に来てもらいましょう。
漏電の修理は電気工事士の資格が必要です
漏電が発生していた場合は、電気工事士による修理が必要です。自分では触れない場所にある配線が原因の場合や自分では原因がわからなかった場合は、すぐに業者に相談しましょう。
電気に関する知識の乏しい方が漏電の詳しい調査をすることは、前述の感電事故につながる危険性が高いです。安易に配線やブレーカーなどに触れないよう注意してください。
漏電を予防するならアース線が必須
仕組みや原因についての知識も大切ですが、漏電が発生しないことがもっとも安全な状況です。アース線をしっかりと接続して、漏電を予防しましょう。
アース線とは
コンセントについている黄色と緑色、あるいは緑色のコードを見たことがあるかと思います。それがアース線です。
アース線は漏電が起こった際に漏れ出した電気を地面に流すためのもので、その働きによって漏電による感電事故を防止することができます。
アース線の接続方法
アース線は、コンセントについているアース線接続部分に接続します。コンセント下部にフタのようなものがついていれば接続可能です。接続にはプラスドライバーを使うので、事前に用意しておきましょう。
フタを開けるとなかにネジがついています。まずはプラスドライバーでネジをゆるめて、ネジの奥に隙間をつくりましょう。
その隙間にアース線を差し込むかネジに巻きつけるかしたらネジを締めます。アース線が抜けることがないように、しっかりとネジを締めてフタを閉じたら完了です。
アース線が取り付けられない場合は……?
コンセントにアース線の接続部分がない場合は、アース線を取り付けることができません。しかし、なんの対策もしないままでは危険なので、コンセント型の漏電遮断器を使用しましょう。
漏電遮断器の役割は、分電盤の漏電ブレーカーと同じです。漏電が起こった際にすばやく電気を止めて被害の拡大を防止します。コンセント型のものであれば、コンセントに差し込むだけで特別な工事が必要ないので、誰でも簡単に取り入れることができるでしょう。
まとめ
漏電は、多くの電気機器を使用する生活を送っている人であれば、誰にでも起こる危険性がある事故です。その原因はさまざまで、人為的なミスではない場合もあります。
しかし、どのようなことが原因でも、漏電を放置していると感電や火災などの大きな被害につながるおそれがあります。
電気機器を使用の際に違和感を覚えたら、電気料金やブレーカーに異常がないかを確認して、漏電が発生していないか調べてみましょう。
また、アース線の接続やコンセント型の漏電遮断器の設置で、漏電による大きな災害や感電を予防することができます。自分にできそうな対策を取り入れてみましょう。
こまめな点検や漏電対策をおこなっても、確実に漏電が起こらないわけではありません。ちょっとした電気機器の操作ミスや配線の劣化などで、漏電してしまうこともあるでしょう。
そのときはすぐに業者による漏電修理が必要です。弊社のサービスを利用して、効率よく業者選択をおこないましょう。迅速な対応はもちろん、調査・見積りは無料でおこないます。できる限り早く納得のいく金額での修理をおこなうために、まずは弊社の相談窓口にお電話ください。